しをに "コンビニ人間" 2026年4月9日

コンビニ人間
コンビニ人間
村田沙耶香
もはや不安すぎて逆に一気に読んだ。 良かったーーー!え、良かったか!?良かったのでは!?とりあえず人死にがなくて良かった。スコップも出てこなくて良かった。喝采を上げたいほどの謎の安堵です。 どこでどんなふうに呼吸するかくらい選べていいだろう、と思うし、どんな感性を持って生まれようともほったらかしてもらえる権利があるのでは、とも思う他方で、しかしそれでもスコップで他人をぶん殴ってはまずい、それはいけない、そうならないでほしい、というこの感情はどこから来るのかを見つめることの方にエネルギーを割いた気がする。 自分にとって得体の知れない感性は得体の知れない暴力を生むのでは、みたいな理不尽な不安ではないかこれは?という居心地の悪さを覚えたり、いや単に具体的に序盤にスコップの描写があったからでは、と思ったり。 そも、社会が機能するには倫理的な(?)ラインについて何らかの合意形成が必要であるとしても、大多数に合意できない人間を粗末に扱ってはならない訳で……というのも自体も一つの規範の型に過ぎない訳で、結局は手元でいわゆるムラのルール的なものの亜種をこねくり回してるだけなのでは?何の話???みたいなところをぐるぐるぐるぐる。 「彼女が息のしやすい場所で好きに勝手に生きられますように。ただし他者を加害しない限り」 みたいなものを自分の中に感じて、ぐえーとなってます。普通である、大多数の側にいるって、それ自体が暴力的なのどうしようもないよなぁ。いやでもやっぱり人死にがなくて良かった……ループ……。何を喋っても自分の傲慢に行き着くのどうしたらいいんだ。 どんな話だったか、以上に、それこそコンビニという水槽に浸ってキラキラ息をする彼女のように、この物語にピタッとハマって一体化したような文章こそが1番の凄みだった気がする。解説読んだら、昨日言ってたのと同じ文章に触れられてて、やっぱそうでしょーー!?と得意げになったりした。 コンビニ人間、ってタイトルは少し意地悪だなと思いました。人間じゃなくてコンビニ店員だって言ってるのに、それでも人間であり且つ人間として異様であると言われてるようで。被害妄想かも知れないし、だとしてもそれは私の被害ではない。 ぽつぽつ書いてたら長くなった。ブログに置いてくれば良かったな。 よく考えたら私はコンビニでバイトしたことないんですよ。飲食店はあるんだけど。これ読んで、コンビニって小宇宙みたいで面白そうだな、と感じたこと自体が物凄いことだと思う。 ※追記 いやーやっぱ違うなー彼女自身に暴力性はまったくないもんな。まず因果関係というものが何も残らなくて、例えば白羽のせいでコンビニを失った、みたいなのが何もなく、ただただコンビニを失って困っている、という今があるだけ。だから私は、彼女がスコップを振り上げることを恐れたというより、それが合理的であると感じさせてしまう場が、瞬間が、神さまの意地悪のように訪れることが怖かった……ような気がします。まだ考えよう。
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