
rio
@rio_hon86
2026年3月28日
凍りのくじら
辻村深月
読み終わった
「少し・不在」な高校生の女の子が、「少し・不思議」な出来事を通して、自分と向き合う物語。
主人公にここまでシンパシーを感じて読んだ小説は初めてかもしれない。
主人公と別所さんと同じく、2人の言葉を借りるなら私も「父親に捨てられた娘」で。主人公の誰とも深く関わることを避けるような生き方も身に覚えがあって。
「3組に1組は離婚してる」とか、「今時片親家庭はよくある」とか、人からも言われたり、自分にも言い聞かせてきたけれど、そうか、やっぱりあの頃の私は悲しかったし悲しくて良かったんだなと思えて、この物語のおかげで誰にも言えなかった自分の気持ちに折り合いがつけられて、救われた気持ちになった。
作中の「大事なことは、全て、『ドラえもん』と藤子先生から。確かにそうだ。だけど、違う。私はその世界を、あたなを通じて知った。お父さん、私はあの優しい世界をあなたから教わったのだ」という文章に全て詰まっていた。
ドラえもんも、ひみつ道具も、すごく良く効いてる。ドラえもんの存在で、物語がビターになりすぎず、マイルドに優しくなってるように思う。
毎週観てたドラえもんを観なくなって、いろいろ経験して大人になった今だからこそ、読めて良かった作品。





