凍りのくじら

57件の記録
- 猫@mao10122025年3月6日かつて読んだ冒頭から一転して、後半の畳み掛けにどんどん物語に引き込まれていった。 個人的には、若尾へ対する嫌悪感が凄まじく、後半は終始鳥肌が立ってしまった。 達観している理帆子の思考もさることながら、郁也の子供特有の真っ直ぐさに胸を打たれた。 最終的にどうなることかと思ったが、理帆子が人のあたたかさに気づけてよかった。
- ねこ@notoneko252025年1月28日「なにも望まないということは、信じられないくらいに深く暗いよ」 「この光の効力が続くうちに、自分の力でどうにかするんだ。大丈夫、君なら必ずそれができる」 望むことで傷つけられてきたから、傷つかないために、なにも望まない。それは強くないと出来ない生き方だ。孤独そのものだとも思う。 物語の最後で、彼女は照らしてくれた光が自分の内側にあったこと、それを信じること、他人を信じ愛する生き方を選ぶ。 私は、主人公がそれを選択するまでの過程全てに意味があったと思った。この子の人生には意味があった。痛みを許し、痛みに許されるまで、時間と対話が必要だった。最悪な出来事も、人を見下した考えも、孤独も痛みも苦しみも、全部が最後光に照らされて意味のあるものに変わっていった。
- ユメ@yumeticmode2014年10月4日かつて読んだ感想全ての秘密が明かされ、秘密の道具の光が主人公・理帆子を照らす時。誰もが知っているあの旋律が、祈りを込めた響きを持って聞こえる。この瞬間、この物語とドラえもんの世界がシンクロした。あきらの「『ドラえもん』はのび太くんを信じた上で成り立っている」という言葉、理帆子を愛し続けた両親。のび太くんの元から未来へ帰ってゆくドラえもん、役目を果たして娘の前を去る父。こんなにも美しい重なりが心を震わす。自分にも温もりがあったことに気付く理帆子と共に涙して、私も今この物語の中を生きていると感じた。