
読書猫
@bookcat
2026年4月9日
超個人的時間旅行
藤岡みなみ
読み終わった
(本文抜粋)
“トークイベントが終わり、司会者が「このあと、登壇者の皆様との名刺交換のお時間とさせていただきます」と告げた。まずい、と思ったのも束の間、一瞬で研究者Mさんと作家Tさんの前に行列ができた。順当に私だけが手持ち無沙汰になり、大急ぎで「あっそうだやることがあったんだった」という顔で荷物の近くに移動した。リュックの中に手を入れ、ぎりぎり持参していた名刺ケースをゆっくり開け閉めする。存在することの難しい時間が続いた。永遠かと思ったら5分くらいしか経っていなかった。”
(藤岡みなみ「地上の太陽」より)
