彼らは読みつづけた "乱歩殺人事件ーー「悪霊」ふた..." 2026年4月10日

乱歩殺人事件ーー「悪霊」ふたたび
*読書で見つけた「読書(する人)」* 《書翰集の赤い革表紙を閉じると、にわかにざわめきが耳に流れこんできた。 ざわめきと言っても、図書館の閲覧室のことだから声高に私語するものはいない。せいぜいささやきか息づかいぐらい。それに加えて本のページをめくる音のほかには聞こえてくるものはないのだが、そこには間違いなく人の気配が満ちみちていた。 私は、無数の本棚に突き上げられたかのような高い天井を見上げた。いかにも俗世間に帰ってきたという感じがして、ホッとさせられた。と同時に無数の知識と未知の世界にひしひしと取り巻かれている感じがし、何やら知的スリルのようなゾクゾクする快感に襲われて、 (さすがは上野のお山、天下の帝国図書館だ……) という思いを禁じ得なかった。》 — 芦辺拓、江戸川乱歩著『乱歩殺人事件──「悪霊」ふたたび』(2024年1月Kindle版、KADOKAWA)
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