
弥
@GoYatomi
2026年4月11日
極夜行
角幡唯介
読み終わった
極夜の時期のグリーンランドに犬1匹だけを連れて北上し、長期間見ることのなかった太陽を再び見たときの心境を探ることで、現代人が見ることのない未知の光景と体験を得ることを目的とした探検の記録。死と隣り合わせの極限環境に身を置くことで、光や闇と共に生きていた原初の人類の記憶を呼び覚まし、ヒトや生命の本来の在り方を考え直す貴重な文章だった。一見すると身勝手で役に立たないようにも見える探検という行為だが、テクノロジーとシステムに支配された現代社会において生物としての人間の本質を思い起こすために、なくてはならない活動なのだと思い知った。
何よりとても文章が上手いな。行動記録と心理描写、歴史・文化的背景が非常にバランス良くユーモラスに並べられており、全編を通して読み心地が良かった。他の作品も是非手に取ってみたい。