K.K. "新装版 虚無への供物(上)" 2026年4月11日

K.K.
@honnranu
2026年4月11日
新装版 虚無への供物(上)
上巻を読んだ。以下は下巻を読む前の感想。 ゲイバア通いのサラリーマン光田亜利夫は高校の同級生蒼司の従兄弟藍司と親しくなる。二人は九月の洞爺丸沈没事故で両親を亡くしていた。祖父光太郎の築いた宝石商の氷沼一族は、曽祖父誠太郎のアイヌ狩りからアイヌの呪いを受けており。亜利夫の友人奈々村久生、そのフィアンセ牟礼田俊夫は、近いうち氷沼家に死人が出ると予言する。久生の指令で氷沼家に出入りし始めた亜利夫は、蒼司の弟紅司の死に立ち会う。 洞爺丸は嵐で沈没した。紅司は心臓の衰弱(ヒートショック?)。橙二郎はガスストーブのガス漏れで、祖父の光太郎は函館大火で焼死。朱美は原爆で父子共に爆死。探偵趣味の久生は最初から犯人がいると決め打ち、同じく藤木田の"ノックスの"で推理合戦にまで加速するが、常識的な判断として「全部不運な事故だろ」という固定観念が抜けないので、なぜ二人はそうまでして殺人事件に仕立てようとしているのかと、不思議。嶺田医師が「まだ幼稚な探偵趣味が抜けんのか。そういうたわけた議論は、あとでゆっくりやって貰おう」と言うのを、現実で奈々村・藤木田みたいな事言ってたらそりゃそうだよねと共感。上巻の終わりも近くになって牟礼田がようやく登場するが、発端の一人なのに「"無意味な死"よりは狡知な犯人がいてくれたほうがまだまし」と述べるのに「ようやくまともな感性と思考回路を持った登場人物か」と思う。ミステリーの中では現実よりの民家での死を「犯人が隠れていて〜部屋に仕掛けがあって〜」ととにかく意外な解決に結びつけようとするのは、探偵って傍迷惑なアクティブ狂人なのかもという気分になる。それでも、アラビクでの亜利夫-久生-藍司-藤木田の推理合戦は読み応えがある。 上巻だけでも成立しそうな内容だけど、更に事件が起こるんですか?あと何やるの?
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