新装版 虚無への供物(上)
43件の記録
- K.K.@honnranu2026年4月11日読み終わったミステリー講談社上下巻奇書日本三大奇書ミステリー三大奇書中井英夫塔晶夫講談社文庫上巻を読んだ。以下は下巻を読む前の感想。 ゲイバア通いのサラリーマン光田亜利夫は高校の同級生蒼司の従兄弟藍司と親しくなる。二人は九月の洞爺丸沈没事故で両親を亡くしていた。祖父光太郎の築いた宝石商の氷沼一族は、曽祖父誠太郎のアイヌ狩りからアイヌの呪いを受けており。亜利夫の友人奈々村久生、そのフィアンセ牟礼田俊夫は、近いうち氷沼家に死人が出ると予言する。久生の指令で氷沼家に出入りし始めた亜利夫は、蒼司の弟紅司の死に立ち会う。 洞爺丸は嵐で沈没した。紅司は心臓の衰弱(ヒートショック?)。橙二郎はガスストーブのガス漏れで、祖父の光太郎は函館大火で焼死。朱美は原爆で父子共に爆死。探偵趣味の久生は最初から犯人がいると決め打ち、同じく藤木田の"ノックスの"で推理合戦にまで加速するが、常識的な判断として「全部不運な事故だろ」という固定観念が抜けないので、なぜ二人はそうまでして殺人事件に仕立てようとしているのかと、不思議。嶺田医師が「まだ幼稚な探偵趣味が抜けんのか。そういうたわけた議論は、あとでゆっくりやって貰おう」と言うのを、現実で奈々村・藤木田みたいな事言ってたらそりゃそうだよねと共感。上巻の終わりも近くになって牟礼田がようやく登場するが、発端の一人なのに「"無意味な死"よりは狡知な犯人がいてくれたほうがまだまし」と述べるのに「ようやくまともな感性と思考回路を持った登場人物か」と思う。ミステリーの中では現実よりの民家での死を「犯人が隠れていて〜部屋に仕掛けがあって〜」ととにかく意外な解決に結びつけようとするのは、探偵って傍迷惑なアクティブ狂人なのかもという気分になる。それでも、アラビクでの亜利夫-久生-藍司-藤木田の推理合戦は読み応えがある。 上巻だけでも成立しそうな内容だけど、更に事件が起こるんですか?あと何やるの?

イオ@io_102026年4月3日読み終わった三大奇書の中ではいちばん読みやすく真面目な作品であるが、とにかくミステリの枠を越えようとしながらもミステリの敬意を評している作品だと思う。殺人が起こる前になんとなーくこんなことが起こるんじゃないか……と推理したり 様々なミステリ(大御所のミステリや黒死館殺人事件など)にも言及がある。また多重解決の要素もありその場にいる人間が皆推理に参加し、緻密な描写も素晴らしいと思う。

- 白沼@shironuma2026年2月23日読み終わった氷沼家で起こる殺人事件について、探偵を目指す歌手の久生、久生の友人である亜利夫、氷沼家の縁者の藍司、氷沼家御意見番の藤木田たちが推理合戦を繰り広げる話。 最初は難解ミステリ本だと思ったけど思ったよりするっと話が入ってくる。 各々の推理パートが色んな意味で面白いし、それがひっくり返される二章のラストも読み応えがある。下巻でどうやって着地するんだろう。



- nul@nul2026年1月14日聴き終わったアンチ・ミステリーの元祖。その定義はいまや瞭然としなくなってしまったが、本書に関して言えば、物語の本筋を歪めかねない破壊的なまでのアンテルテクスチュアリテによってメタフィクショナルな効果が強化されているところなど、まさにそのひとつの淵源たる所以なのであろう。

りなっこ@rinakko2026年1月13日読み終わった再読。『をとめよ素晴らしき人生を得よ』(瀬戸夏子)の中条ふみ子と中井英夫の章で『虚無への供物』にも触れていて、奈々村久生のモデルとなった尾崎佐永子や歌人たちの協力があったことなどを知り、読み返したくなった。 無意味きわまりない事故死よりは血みどろな殺人…とは、海への復讐。






🦢@13_rooms2025年3月13日かつて読んだ初読の時結末に圧倒されて夢中になってしまった。アンチミステリと呼ばれてるけど、ミステリーのある種の不謹慎さを糾弾というよりは露悪してるのかな、とおもう。中井英夫の耽美嗜好も十分に味わえて大好きな作品です。






















