原っぱレスラー
@wrestleratpark
2026年4月12日
ラピスラズリ
山尾悠子
読み終わった
長い間積んでいたのを読んだ。もっと早く読めば良かった。面白い。
金森修『人形論』は、人形について論じ考える中で、人間の人形化という可能性に触れる。
『ラピスラズリ』の主題は冬眠者だが、私はこれらの短編を人形にまつわる物語のように読んだ。人間が人形化され、人形が人間へと再生する循環についての物語ではないか。
千野帽子による解説の『再生するためなら世界は何度でも滅びる。』というタイトルは、この作品のコアとなる精神をはっきりと表していると思う。
循環する世界の再生の間際には滅びがあり、その滅びの直前の時間を丁寧に描いている。
膨張し切った世界全体が一斉に滅びに向かっているような感覚がこの頃はある。そんな世の中で、再生の前に訪れる滅びを描いたこの物語はいっそう胸に響く。

