
本屋lighthouse
@books-lighthouse
2026年4月12日
ほんのこども
町屋良平
殺意をデリートして空白にもどし、それでもどこも傷んでいない身体がガラケーのボタンを押しつづける。かいていないと身体がかいてしまって、かくのを止められないからかかないためにかくしかないのだ。
おなじ夜、荒川区町屋のワンルームに独居していたいまから五年前の私はだれにも求められていない投稿小説をかきすすめていた。昼には書店営業にまわる会社員として出かけてい、二階相当の高さに位置するJR津田沼駅のコンコースを抜けた奥にBOOKS昭和堂(二〇一八年に閉店)があるペデストリアンデッキの階段をくだって歩道におり、レールと枕木の繋ぎ目にところどころ雑草の生える線路を右手に、約四〇〇メートル先の新津田沼駅にあるブックマルシェ津田沼店をめざしてボンヤリ歩いていた。(p.207)
とかいている2026年の私はすでに西船橋、さらには南行徳を超え、三軒茶屋へと向かっている。






