yakasak
@yakasak
2026年4月11日
正しいパンツのたたみ方
南野忠晴
読み終わった
読了
この本は、本屋でたまたま見かけて手に取った。
一切の前提知識なく出会った一冊というのは、私の中では珍しい。
読み終わった今、こういう出会い方も大切だなと感じさせてくれる一冊になった。
それくらい面白く、そして、驚かされた。
面白い本にはよく出会う。
しかし、そこに驚きが乗ってくることはそうあることではない。
家庭科は、「生活」と「人生」を結びつける場なのだというのが最も強く感じた印象。
「生活」と「人生」という対比は、少し前に読んでいた『カウンセリングとは何か』から拝借している。
「生活」は「いかに生き延びるか」という問いで言い換えられ、「人生」は「生きるとは何か」「よく生きるとは何か」「私はいかに生きるべきか」と実存を問う。
家庭科のイメージとして、「生活」というのは違和感がないだろう。
調理や被服製作など、どのテーマであっても実習は高校生に大人気だそうだ。
一方、「人生」が家庭科の射程にあるというのは意外に聞こえる。
この本に出会う前の私もそうだった。
家庭科が「生活」と「人生」をつなぐことを可能にしているのが、「自立」という概念なのかもしれない。
そして、この「自立」こそが、著者の信念の中心にあるように読めた。
そういう意味では、「家庭科は」生活と人生をつなぐものであると一義的に決まっているものではなく、多分に著者の信念に依るものなのかもしれない。
ただし、それはこの本がもたらす驚きをいささかも減じるものではないと思う。
「生活」と「人生」がこのように地続きになっていること、両方ともを大切にすることが大切であること、「自立」を介在させることによって両者が家庭科として像を結ぶこと。
どれもが驚かされることだった。