柴犬 "月夜の森の梟" 2024年9月1日

柴犬
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2024年9月1日
月夜の森の梟
月夜の森の梟
小池真理子
夫は元気だったころ、何度か繰り返し、面白いことを言っていた。「おれが死んだ後のおまえのことは想像できる。友達や編集者相手におれの思い出話をしながら、おいおい泣いて、そのわりにはすごい食欲で、ぱくぱく饅頭を食ってるんだ。ひとつじゃ足りなくて二つも三つも。おまえは絶対、そうなるやつだから、おれ、自分が死んだ後のおまえのこと、全然心配してない」その時によっては、「饅頭」が「大福」になることもあれば「煎餅」になることもあった。 先日、ひとりで大きなどら焼きを食べていた時、そのことをふと思い出した。 可笑しくて可笑しくて、ひとしきり笑いながら、気がつくと鳴咽していた。笑いながら嗚咽する、というのは、けっこう腹筋を使うものだということがよくわかった。
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