時間のかかる読書人 "告白" 2026年4月12日

告白
告白
町田康
熊太郎はそう言って唐突に黙った。 熊太郎は考えたことを可能な限り忠実に言葉にした。 熊太郎はいっさいの虚偽を交えないで話を始めた。 しかし話している間中、ずっと熊太郎は言葉が考えの表面をうわ滑っていくようなもどかしさを感じていて、そのもどかしさは話せば話すほど甚だしくなっていった。また、話すうち熊太郎の頭にある考えが浮かんだが、熊太郎はそのことについては話さなかった。 話せなかった。
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