えむ子 "母という呪縛 娘という牢獄" 2026年4月12日

えむ子
えむ子
@hks_emk
2026年4月12日
母という呪縛 娘という牢獄
さらっと読めるレイアウトとは裏腹に、しんどさが容赦なく押し寄せる、娘が母親をなぜ殺害に至ったのかを過程から結末までを記したノンフィクション。 「モンスターを倒した。これで一安心だ。」というXに投稿されたポストはとても有名で、事件の凡その概要も知っていたけれど、改めて読むと凄まじい。 9浪を強いられ、医学部への合格の強要だけでなく、幼少期からの罰という名の虐待や言葉の暴力があまりに痛ましい。 娘のあかりは何度も問題行動を起こし、教師の元へと家出をしたり、体重も約40kg増加などがあった。周囲が見ても母と娘の間の問題があるのは見て取れる状況なのに、救いはない。誰かが本気で介入していたら、と思わずにはいられない。 何より、あかり自身は現在の父親との関係に救われているが、もっと早く父親がきちんと介入していたらと思わざるを得ない。 そして母親の妙子も複雑な家庭環境を過ごしてきたことが分かり、悲劇の始まりが本当はどこだったのか、嫌でも考えてしまう。 「医学部に受からなかった自分を母は娘だと認めなかったのに、父は私が殺人犯でも娘だと思ってくれるのかもしれないと思えた」という言葉が苦しい。妙子が病んでいたのは明白で、もっと早く段階で治療を受けられていれば、結末は変わっていたのではないか。 読了後もしんどさが残る作品だった。
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