ぽんさん "死ぬまでに行きたい海 (新潮..." 2026年4月13日

ぽんさん
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@lijitee12
2026年4月13日
死ぬまでに行きたい海 (新潮文庫 き 52-1)
YRP野比
ぽんさん
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死ぬまでに行きたい海 p.128 富士山 今年の夏、同じ道を通ってまた関西に行った。父の生まれ故郷に行くためだった。 今度も帰り道は夜だったが、この日は月がなかった。富士山の真横を通るとき、さすがに見えないだろうと思いながら念のために窓の外を見た。富士山は見えなかった。 だが目をこらして見ると、空の一部に星が見えないところがあった。それをたどっていくと、富士の輪郭があらわれた。そのとたん、富士の気配があたりを圧してありありと伝わってきた。私は背中に氷の棒を打ちこまれたみたいにぞくりとした。怖かった。説明のつかない、動物めいた恐怖だった。これは何かヤバいものだ、と思った。 目をそらし、気配が追ってこなくなるまでずっと震えていた。 あれから半年ちかく経つが、あのときの鳥肌がまだ背中のあたりに残っている。私はすっかり富士山が怖くなった。写真や絵を見るのも怖い。朝、カーテンを開けるときは顔をでむけて苦くを見ないように気をつける。気に入っていた富士山形のポストイットに出れなくなった。富士山柄のハンカチもTシャツも棚の奥にしまいこんだ。
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p.173 地表上のどこか一点 来たときはあんなにガリガリだったのに、最後は立派な大舗だった。相き編と同じ白地にサバ模様で、ハチワレだった。顔はヤクルトの徳山に似ていた。
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