
かもめ通信
@kamome
2026年4月13日
物語ることの反撃
リフアト・アルアライール,
岡真理,
藤井光
読み終わった
ガザの若者たちが直面する過酷な現実を伝えるこの作品集を編んだのは、リフアト・アルアライール。
1979年、ガザ生まれの詩人で、作家でもあり、大学で世界文学と文芸創作を教える教師でもあり、活動家でもあった人物だが、2023年、イスラエル軍によるピンポイントでリフアト本人を狙った空爆により死亡している。
23篇。
家族を失った悲しみを描く作品もあれば、今まさにがれきの下敷きになっている人やイスラエル兵士やその家族の視点で語る作品、ガザの日常や、ガザと難民キャンプの隔たりや分離壁が隔てるものを描く作品もある。
短篇集を編むにあたって応募作品を募ったこともあり、書き手のほとんどは書くことを本業としていないばかりか小説を書くのはこれがはじめてだったという人も。
そのため作品の出来にはばらつきがあるが、それでもそこに込められた想いや、突きつけられるあれこれに、心打たれずにはいられない。
同時に、外国で暮らすなどして今も生き延びている書き手たちが新たに書き足したリフアトへの追悼文が、彼らが紡いだ物語以上に鋭く読み手に突き刺さったりすることも。
「物語ることは生きるという行為であり、物語ることは抵抗であり、物語ることは私たちの記憶を形作るのだ」(p23)とリフアト・アルアライールは言った。
彼の、彼らのあげた声に、読み手はどう応えるべきか、読み終えた後も考え続けている。






