
Ayako
@aya_rb
2026年4月13日
華氏451度〔新訳版〕
レイ・ブラッドベリ,
伊藤典夫,
小野田和子
読み終わった
20年ぐらい前に読んだはずだけど、後半は我ながら驚くほど覚えてなかった。クラリスがジュリアのような役割になるとばかり思っていた。
独裁者が文章には顔を出さないディストピア小説と、その姿をあらわすディストピア小説とがあるけど、これは前者。
本を読ませないということは、ものすごい独裁者が行うものというよりも、大衆には愚かでいてほしい時の政府が行う、知らず知らずに進行していくものなのかもしれない。
p138
「‥‥ぼくらは、しあわせになるために必要なものはぜんぶ持っているのに、しあわせではない。なにかが足りないんです。だからさがしてみました。なくなったことがはっきりわかっているのは、この十年、十二年でぼくが燃やした本だけでした。だから、本が助けになるかもしれないと思ったんです」
p144
「‥‥モンターグ君、きみがさがしているものは、この世界のどこかにある。しかし、ふつうの人間がさがしものの九十九パーセントを、見いだすのは本のなかだ。‥(中略)‥ささやかでも、救いに向けて自分のできることをしなさい。そうすれば、たとえ溺れようとも、少なくとも岸に向かっていると、自覚して死んでいける」
読書よりもゲームや動画視聴が、日々の当たり前の営みのように共有されている今、第2部のモンターグとフェーバーのやりとりが、胸に沁みてしまう。






