
トラ
@Toreads1234
2026年4月14日
月ぬ走いや、馬ぬ走い
豊永浩平
時代を超えて、語り部(視点)が移り変わっていく沖縄の物語。
沖縄の方言も固有名詞もバンバン出てくるし、カギ括弧も無いからどこがセリフでどこが地の文かわからないし、段落分けがなく章が一つの段落としてガーっと行く。付いてこれん人は置いていくよと取れる、勢いのある文体・文章。
土地と血で繋がった、小学生の男女、中高生、日本兵、左翼の青年?、男娼?、などなど色んな人生から見える沖縄の「今」。暴力の空気が通底する、戦争、男女、親子、上下、左右の様々な対立は、物語上の悲しい事件へと繋がっていく。
時間も場所も移り変わっていくし、文体も内容も、読み易いとは言えない。多分朝井リョウが勧めていなかったら(次作を)、序盤で止めていたかもしれないけど、読み終わってみると、このエネルギーとか描写力、沖縄についてもっと知りたいと思わせてくれる匂わせが凄く効いてきて、読んでよかったと思わされた。

