
ぱるすぴこ
@k0711062
2026年4月14日

熟柿 (角川書店単行本)
佐藤正午
読み終わった
晴子伯母さんの葬儀の帰り道、大雨だった
警察官である夫は酔い潰れて助手席で寝ており、私が運転していた
田舎の遅い時間、交通量も少なく誰もいない
だが、急に視覚から老婆が現れ衝突してしまった
何かにぶつかった感覚はあったが、誰もいなかったのだから人ではなく見間違いかもしれない
きっとそうだ、と納得させた時、夫が目を覚ます
私は何を撥ねたのか確認をせず車発進させた
そうして当時妊娠中だった私は、殺人と轢き逃げの罪を背負い、獄中で息子を出産することとなった
その後、離婚届に同意し、息子と会えない空虚な日々を過ごす
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主人公のかおり視点で紡がれる、贖罪と葛藤の物語
別れた夫から放たれた「母親が殺人犯なのと、死んだのと、どっちの方が息子の今後の人生にとっていいか考えろ」という台詞により、死んだ母親として息子に合わない人生を選んだかおり
だけど会いたい、知りたい、話したい
だけど怖い、嫌われたくない、苦しめたくない
ストーリーに奥行きをもたせた読後感も秀逸で、唯一無二の作品だった



