雨垂 "アセクシュアル アロマンティ..." 2026年4月14日

雨垂
@amadare__
2026年4月14日
アセクシュアル アロマンティック入門 性的惹かれや恋愛感情を持たない人たち
ジェンダー関連の用語や温度感が分からないため読んだ。 具体的には、「アセクシュアルやアロマンティックは分かるけど、Aセクとかシスジェンダーってなに?具体的にどういう使い分けがなされているの?」とモヤモヤしていたが、本書を読んだことによりそのモヤモヤは概ね解消されたので、良い入門書だと初心者視点で思います。 そして、これはアセクシュアルやアロマンティックの用語や歴史を解説するだけでなく、同性愛者やトランスジェンダー、強制的性愛やフェミニズム活動、結婚制度に付随するものの多さなど、性や愛情に関するものについて広範囲について記されています。 また、偏見や差別に対する重要な考え方も記されています。マイノリティに対して攻撃的な言葉をかける行為(本文中では「排除」と呼ばれている)が差別行為であるということは普遍的な認識だと思いますが、まだまだ多くの人にとって理解しにくいのは、カミングアウトした際に「そんなの別に普通じゃない?」という言葉を返すのもまた差別なのだということです(「抹消」という形の差別です)。マイノリティの人はマイノリティであるがゆえに困難を抱えているわけで、本当に普通なら(マジョリティと同じように)困っていないのです。それなのに「そんなのは普通のことだよ」とされてマイノリティとしての存在を抹消されれば、必要な支援が受けられなくなってしまいます。 これは障害に関しても同じことで、本文中には弱視難聴の女性が弱視難聴として見られていない故に視覚障害者のフリをせざるを得ないエピソードが、引用されていました。著者の松浦氏がまさに本文に書いているように、私もこれは、軽んじて語られることの多い「抹消」型差別の大きな困難さを示す重要なエピソードだと思いました。 以上のように本書は、アセクシュアル/アロマンティックだけでなく、ジェンダー全般や差別問題に関心のある人に向けてもお薦めできる一冊となっているかと思います。
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