
背等体
@yomotuhegui
2025年3月17日

ハーモニー
伊藤計劃
かつて読んだ
昔読んだ本。
夭折の作家、伊藤計劃。SFで伝説化されているようですが当時は全く知らないまま、あらすじの設定に惹かれて手に取った気がする。
それまで読んできたSFは古めの海外作品で、著者が故人であることが前提だった。作者に直接お礼を言うなんて出来ないのが当たり前だった。
ついこの前まで同じ世界で生きていた人が書いたんだと知って、それなら会えて面白かったと伝えたかった、と思っていた。
その先がないことが、ほんの少し残念で、悲しかった。
何年前ならこの人の書く生の話がもっと読めたのか。
社会で生きる全ての人間を余さずリソースとして、優しさと健康で管理されるユートピアあるいはディストピアもの。
多種多様な分野の知識とそれを巧く使いこなすことが小説の世界観を強固にするんだな……どんな小説でも言えることですが。素敵だった。こんな話を書けたらな。
それと、本当にプログラムを齧ると見えてくるコードがあって、いまさらの発見に笑っています。
トマトとモッツァレラチーズバジルのカプレーゼが食べたくなりますね。
読後は寂しく穏やか。
