
とろん
@toron0503
2026年4月15日
明日、あたらしい歌をうたう
角田光代
読み終わった
ネタバレあり
角田光代作品はこれまで何度か読んできたのだけれど、そのつど自分の好みとはちょっと違うなあ…と思っていたのだけれど、これは面白かった。登場人物や構成もシンプルで、基本的にいいひとたち(くすかの両親からのネグレクトはあるけれど…)で構成されているからかもしれない。
個人的にはくすかが時生の両親と関係を絶ってしまい、葬儀の手紙すら開封しなかったことについて「自分がひどいことを言ってしまいそうだから」という述懐があまり腑に落ちなかったのだけれど、両親に愛された経験のなさによるものとして考えれば良いのかもしれない。思えば彼女の、人間関係が一度破綻して修復された例は時生しかなかったわけで。
新がバンドを再開することになったけれど、別に新はバンドで有名になりたい訳でもないし、趣味として続けていきたいというのでもなくて、そのあたりの微妙な感情のニュアンスの描き方がわりとしっくりくる感じだった。「部活や趣味に本気」→「青春」みたいな構図ではないというか。『違国日記』の朝の軽音部での活動に近いものがあるなと思ったりした。



