めゆ "幸せではないが、もういい (..." 2026年4月15日

めゆ
めゆ
@Siilliiillii2
2026年4月15日
幸せではないが、もういい (新しいドイツの文学シリーズ 12)
幸せではないが、もういい (新しいドイツの文学シリーズ 12)
ペーター・ハントケ,
Peter Handke,
元吉瑞枝
作者が意図して客体的に物語を書こうとしてたのはその悲しみを正面から受け止めることの難しさを表してたのかな?と深読みしてしまった。 その時代のその場所を生きた女性について自分はあまり詳しくないが、その時の風俗を描いた作品としても興味深かった。そして、その時代(今でもだが)ではありふれた何者にもなれなかった彼女が歳を取るにつれ弱っていく一生を見た。 今からすればただただ不幸だと思う。共同体による抑圧、家父長制による抑圧。ただそれらがましになったとしても彼女は救われなかった。本を読み主張をするようになっても、彼女はそれらが取り返しのつかない過去の物語として考えていた。その後、病に苦しみその生を自ら終えた。 訳者あとがきで見たが、その中で語られた原題の意味はとても印象に残るものだった。 読書中に本書とは全く関係ないが、トルストイの「イワンイリイチの死」を想起した。死や人生の絶望に際しての考え方の違いを見て取れたからだろうか。本書は端的に言えば諦念だった。
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