
トラ
@Toreads1234
2026年4月16日
はくしむるち
豊永浩平
沖縄のダークな物語。前作より言文一致が進んでいる気がするし、方言の使用頻度が高い。視点もバンバン切り替わって、どこ(誰の視点)にいるかを見失いがちだった。だから自分の読書経験からすると読みやすくは無い。ただストーリーの力、文章のドライブ感、描かれる情景の臨場感が凄くて、話にもっていかれる。
現代のAサイド、戦中あたりからのBサイドがあるけど、どっちの時代も苦しい。Aはどうしようもなく倦んででしまう環境の中でのアップダウンがある。Bは戦争という地獄、戦後の沖縄というかなり制限の多い時代の辛さ。
人間関係、文化、歴史など様々なものが重なって出来上がっている「今」をどう生き延びるか。グラフィティも重ねる芸術。
絶望から立ち直ろうとする場面もたくさんあって格好いい。
サブカル知識があればもっと深く読めた気がする。
どれくらい実態に近いのかわからない。完全なフィクションではないのではないか、と考えるとかなり厳しい現実を生きざるをえない若者がいるんだと思う。

