
結
@yi_books
2026年4月17日
渇愛
宇都宮直子
読み終わった
自分とはあまり縁のない、遠い世界の事件だと思っていた。
だから、事件については概要程度の知識しかなかった。
作者の方が、書き手としてのバランスを崩すほどの出来事だったとの話に興味を持ち手に取ったけれど、読めば読むほど遠くの世界の話ではないのだなと思った。
どこかでボタンを掛け違えば、誰しもが"りりちゃん"だった可能性があるのだなと。
充分な愛情を注がれて育つことって当たり前ではなくて、せっかく生まれてきたのに愛されずに育つこと(歪んだ愛情を注がれて育つこと)の残酷さと哀しさに打ちひしがれてしまった。
別に、望んで生まれてきたわけじゃないのにね。
充分な愛情を得られず、上手く人間関係を築くことができず、充分な教育を受けられず……そういうことが連鎖するように重なると、善悪の認識も当然ズレるのだと思う。
りりちゃんのやったことの良い、悪い、ではなく、本当に彼女だけの責任なのだろうか?というところは議論の余地があるように感じた。
とはいえ人生を狂わされるような被害を受けた人が複数いるのは事実。
そういう人たちがどうか救われる世の中であってほしい。
それでも「誰だけが悪い」と今の私には断言することができない。
りりちゃんだけが本当に加害者なのか、彼女が主張するように搾取されていたと彼女自身が感じてしまうことにも無理はないのではないかと、どうしても同じ年代の女性として、感じてしまう部分はある。
やっていいこと、悪いこと、の判断もつかないようでは世の中生きていけないし、当然やってはいけないことはやってはいけないことなので、彼女にはきちんと罪を償って、そしてその先をどう生きていくのか、考えてほしいと思う。
彼女だけが救われるのも、彼女だけが救われないのも、どちらも違うと思うから。









