
Takahiro Hirano
@taka_164
2026年4月17日
天皇への敗北
國分功一郎
読み終わった
一気に読んだ。國分功一郎さんの議論を読んでいると、知性とは、頭の回転が速いとか、論理操作に優れているとかというよりも、正直であることなのでは、という気がしてくる。
なかなかのタイトルだなと思ったが、想像していた内容ではなかった。
戦後民主主義と憲法学がテーマ。特に、第二次安倍政権に対する批判がある。
立憲民主主義とは立憲主義と民主主義の組み合わせだが、実は緊張関係にある。いかに民主的プロセスであっても、憲法の価値に違反するものは制約されるのが立憲主義という考え方。第二次安倍政権はその原則を蔑ろにしたというのが國分さんのスタンス。
戦後憲法学は、その原則を国民に伝えてきた。しかし、立憲主義の原則が危機に陥ったとき、それに対抗できたのは「天皇のお言葉」だった。結局のところ、国民は憲法の価値を自分のものにできていないのではないか? それが「天皇への敗北」の意味である。
第1章と2章は論文調か講義調かの違いで、上記の論点を扱っている。それ以降は、この問題意識の延長線上に加藤典洋『敗戦後論』が論じられる。前半はとてもクリアなのだけど、後半は論理を追うのがなかなか難しい。それは加藤さんの議論が「くねくね」していることに起因しているような気もする。


