
ペンアブ
@ddd_kool966
2026年4月18日
“文学少女“と死にたがりの道化
竹岡美穂,
野村美月
読んでる
野村美月
文学少女シリーズ
最近読んでいるラノベ。
本を物理的に食べちゃう少女・天野遠子と、その少女のために短編小説を書かされている少年・井上心葉(いのうえ このは)。
文芸部に所属する彼らの微笑ましい日常風景から物語は始まり、心葉はひょんな出来事からラブレターの代筆を依頼される。
と、ファンタジックで穏和な導入から一転、ラノベ特有の軽快さの横では、かなり重くどんよりとした内容が綴られる。個人的には非常に好きな作風。
その性質の分かりやすい例として、この小説は、太宰治の著作『人間失格』の冒頭を引用してから始まるのだ。
恥の多い生涯を送ってきました──という一文は有名だが、恥ずかしながら私は人間失格が未読である。太宰はカチカチ山しかまともに読んだことがない(面白いのでオススメ)。
なので、〝文学少女〟の作中にて語られる人間失格の書評なんかは興味深く読んだ。
あえて私のように、太宰治の著作や人間失格を読んでない人にこそ勧められる本かもしれない。
人間失格の文章をエピグラフとして使用している謎の手紙。
その記述と並行する形で、心葉は代筆しているラブレターの送り主へと徐々に迫っていく。
ここまでしっかりモチーフにされていると、現に人間失格の方も読みたくなってきた私である。
果たしてどのような場所に着地するのか楽しみだ。

