巻貝雫 "ぼくが電話をかけている場所 ..." 2026年4月18日

巻貝雫
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@makigaitown
2026年4月18日
ぼくが電話をかけている場所 (中公文庫 C 30)
ぼくが電話をかけている場所 (中公文庫 C 30)
レイモンド・カーヴァー,
村上春樹
カーヴァー、実は初めて読みました。 怠気のように、得体の知れない孤独と不安が、基調としてただよっている、という印象を受けました。だけれど、それだけでは終わらない。 決して意外性はないし、温かいわけではないけれど、濃いコーヒーを飲んだ後のような満足感のある短編集でした。 繋がりたいけど繋がらなくて、完璧な形で交わることなどないけれど、それでも、手を伸ばしたり、思い合った瞬間の、些細なきらめきが捉えられていて、不思議な魅力のある作家だと感じました。 我々はなんだかヘリのようなところに立っていて、普段は気が付かないのだけれど、ふと、とても危ういところにいることが明らかになる。 それこそ、足元を流れている隠された川の音が、ある時から聞こえて耳について離れなくなるように。そういう種類の不安を、普段の私は感じないようにしていて、実際感じたくないからこそ、人と深く付き合うことができません。 けれど、誰かと近くにいればいるほど、感じざるを得ない他者性をものすごく納得のいく形でコンパクトに、美しく提示している。 カーヴァー…………良いですね。
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