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@x_toyanya_x
2026年4月18日
日本近代小説史 新装版
安藤宏
買った
読み終わった
福沢諭吉を始めとした新文明の輸入において、「三十一文字(和歌)を学ぶ暇があったら糠袋の縫い方を学べ」という言論に見られるような近代合理主義精神の流入(実用主義・プラグマティズム)も同時に起こっていた、というかこれが始まりだったはずが、以降の「小説」の歴史においては功利主義へのアンチテーゼとして戯作が流行し、「戯作と傾城は。虚誕(うそ)が誠実(まこと)で。真面目(まこと)が妄言(うそ)なり」という言葉に示されるように「虚実皮膜」、つまり「つくりごと」それ自体の面白さを遊び、「虚」を嫌い「真面目」な写実主義に走るという倒錯の指摘につながる点が面白かった。
近年の国語における文学作品の排除においても、「文学は実践的である」という主張によって身を守るしかないように思われるが、「小説(Novell)」のはじまりと役割は自ずから実践的でありそして芸術的でもあった。