
ハルコ
@inu865
2026年4月18日
コンビニ人間
村田沙耶香
買った
読み終わった
胎児は母親の胎内で音を聞いているといわれているし、こときれる直前まで聴覚はあるともいう。
だから主人公のなかにコンビニの「音」がずっと響いているのは、彼女が生きる場所として適切であるからなのだと思った。
小さい頃から異端として扱われ、また本人も自覚していた主人公。透明の光る箱とたとえたコンビニの店員でいることで、自分を透明化している。18年間も。
そこに白羽という男が現れる。自分の不甲斐なさを全て世間の、他人のせいにし、女性を見下しているくせに、特別な人間だと吹聴するクソ男。こいつのせいで主人公はコンビニを辞める。コンビニという完璧な入れ物を失ったけれど、また別のコンビニに出会い「初めて、意味のある生き物に思えた。」のだった。
最後の段落にあるように、生まれ直したのだ。自分で新しい生き方を選んで、いい終わり方だった。
1998年に大学1年生ということは、就職氷河期まっただ中。主人公がコンビニと出会わずに就活してたらどこも採用されなかったろうな。

