🎡⋆。˚✴︎ "わたしたちは銀のフォークと薬..." 2026年4月24日

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして
飯田ちゃんが好き。 智哉くんの急なメロい振る舞いにびっくりした(でも彼女がいる上での振る舞いなので結局最悪👎)。 まともな大人があまり出てこない。 倫理観と誠実性に欠けたような人間がほとんどという感じ。 まあ"大人"なんて所詮は肉体年齢をある程度重ねただけの生き物でしかないので、こんなもんだよなと思いながら読んでいた。 島本理生さんの本を読むのは初めてだったのだけど、とても読みやすかった。スラスラ頭に入る感じ。 あとがきが良かった。 🍽️ 「でも私たちは自由だよ!」 茉奈が酔っ払ったのか、突然、宣言した。 「子供もいないし、結婚してないし、まともに付き合ってる彼氏もいないし、仕事だってほかの誰でもできることかもしれないけど。明日いきなり飛行機に飛び乗って石垣島に移住して生きていこうと思えば、できるんだよ。それってすごいことじゃない?」 🍽 HIVのことがあるからよけいに慎重な腕の中で、だけど皆、本当はこれくらいに丁寧に触れ合うのが正しいのではないか、とふと考えた。 健康だから。 病気じゃないから。 それだけで人は人の体をびっくりするほど粗雑に扱う。 🎡...蛭に刺されたあとの会話と事後の会話を聞いてる感じ、何となく主人公が好きになれないかもなと思った。 「それなら、この先、私がどんな怪我をしても助けてくれないの?」ってその台詞はさすがにないんじゃないの? 「むしろごめん。僕が傷口を触るべきじゃなかった」に対して"ひどく悲しくなった"じゃないのよ。恋人の傷を手当することすら躊躇または慎重にならなければいけない、自身が彼女に及ぼしてしまうかもしれない影響について常に考えている椎名さんの気持ちをお前(主人公)もちゃんと考えなよと思った。 椎名さんの病に対して主人公がそこまで負う必要はないとしても、それでも感染する可能性のある病を抱えた人間と一緒にいることを決めたなら、椎名さんが主人公(恋人)に対して害が及ばないようにどれだけ気を張って接しているかを知る努力はしろよと思ってしまった。無神経すぎる。 それと「昨日の椎名さんの運転怖かった」もそうなんだけど、椎名さんが車を飛ばしたのは主人公が自分で言っているように"自分の力を過信して"、出掛けに一人で粗大ゴミに出す棚を下ろしてる最中に階段を踏み外して怪我をしたからに他ならないんですが、それはお忘れか?と思ってしまった。(辛辣な言い方でで申し訳ないが) 🍽 薄々分かっていた。年収じゃない。顔でもない。いや、外見はちょっと大事だけど、それよりも必要なもの。 それはなに一つ特別じゃないわたしと向き合ってくれる、関心と愛情。 🍽 なに一つ特別じゃないわたしだって一生懸命がんばっていて、世界の本当に端っこで一ミリくらいは役に立っている。 そのことを大事に扱っていないのはわたし自身だった。十万円で赤の他人がなにもかも変えてくれることを期待するくらいに。 🍽 「誰かに言われたならともかく、自分で先回りして決めつけると、変なところで穴に落ちるぞ」 🍽 だけど結婚も子供もどうしたって興味が持てないのだ。仕事をセーブして夫のために家事をこなして、大して好きでもない子供の世話に追われて日々が過ぎていく......絶対に後悔するに決まってる。 女、だからじゃない。適齢期の長さには差があるにせよ、男の独り身だっていい歳になればそれなりに大変だろう。 どうして人生には、結構以外の正解が用意されていないのだろう。 空気は濁って雲は分厚く、月のない夜空を仰ぐ。答えはどこにもなかった。 🍽 「彼氏ほしい」 と莉穂が静寂を破るように呟いた。 「いくらでも寄ってくるんじゃない?」 「中身も知らないで寄ってくる男とか、頭悪そうで尊敬できない」 🍽 淋しいふりをして、物足りないふりをして、なんとなく愛される女になったほうがいい気がしていた。 だけど私は全然淋しくないし、今のままでかまわないのだ。それがしょせんまだ若いからとか、実家暮らしだからとかいう理由でも。 🍽 こんなときに気持ちをすくいあげる言葉を持っていない自分を歯がゆく思いながら、照明を消した。 🍽 (あとがき) 誰かと楽しく食事をすること、旅をすること。どちらも意外とハードルの高い行為だと、個人的には思います。 自分と他者は違う人間だということ。それを認めた上で、受け入れたり、時には主張しながら、協調していくこと。 食と旅には究極、そんな側面があるように感じます。 まったくの赤の他人と、共に生きることは難しいです。 それでも人と人とが出会うのは、やっぱり素晴らしいことだと思います。 思いがけず救われる言葉。自分一人では得られなかった価値観。見慣れていたはずの風景が変わるとき。 そんな美しい瞬間が見たくて、小説を書いていくのだと思います。
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