
柴犬
@storyseller
2025年3月18日

死神の精度
伊坂幸太郎
読み終わった
俺は、思ったことはすぐに口にしてしまうんだ。人生なんていつ終わってしまうか分からないんだから、話は交わせる時に交わしておくべきだ。不躾だろうが何だろうが。そう思うだろ?
人間が作ったもので一番素晴らしいのはミュージックで、もっとも醜いのは、渋滞だ。
それに比べれば、かたおもいなんていうものは大したものではない。そうだろ?
幸せか不幸かなんてね、死ぬまで分からないんだってさ」「生きていると何が起きるか、本当に分かんないからね」老女がしみじみと、けれど重々しさはなく、言った。「一喜一憂してても仕方がない。棺桶の釘を打たれるまで、何が起こるかなんて分からないよ」
「最悪なのは?」
「死なないことでしょ」


