
ぐ
@busy-lake
2026年4月19日
買った
読み終わった
優しい本だった。
その『優しさ』の守備範囲外にある、あの子たちの絶望に誰が届くのかを考えた。
本書は「子供は慈しまれるべき存在であり、親は子の幸せを願うもの」という光の当たる善意を前提に書かれてる。
スクールカウンセラーを志す人向けという性質上、システムが機能する「健全な範囲」のケースが丁寧に語られるけど、その背後にあるはずの「救いようのない暗がり」については書かれてなかった。
わしが本書を手に取ったのは、身近で耳にする「親の都合で学校に行けない子」や「家庭という密室で追い詰められる子」の存在が気になってたから。
専門家なら、その深淵に届く言葉を持っているのではないかと期待して読んだ。
今話題になっているあの事件のことも、頭の片隅にあった。
スクールカウンセラーを仕事にしている人は、あの惨状に何を思うのか。
いつの時代も形を変えて現れる「声なき叫び」に対して、このシステムは、あるいはこの本は、どんな救いを用意しているのか。
残念ながら、わしが求めていた答えはここにはなく。
本書が扱う「不登校」や「身体症状」という悩みは、ある種の平和な日常の上に成り立っているもの。
でもママ友とのランチで他人事として話題になるのは、より深刻で暴力的な断絶。
それはこの本の、あるいは今のシステムの「外側」に置かれていて、
内側に置かれるものは、ママ友とのランチで自分ごととして語れる程度のものだとわかった。
だからこそ、ランチの中でこの本を当事者として話題にするにはアリではある。
「担任から面談を勧められたけれど、何だかよくわからない」と戸惑っているママが読むといい本。
世間のイメージと実体のズレを修正するには良い本だと思う。
ただし、スクールカウンセラーというシステムを、深刻な事態の報告先として期待しすぎると、肩透かしを食うのかなと思った。
わしの問いを解くには、別の本、あるいは別の視点が必要なようです。
それでも、この本を通じて「今のこのシステムができること」の境界線が明確になった。
娘に万が一のことがあった際、過度な期待も不信感も抱かず、解像度高くスクールカウンセラーという選択肢を検討できるようになった。それは一つの確かな収穫。
