脱兎 "アルテミス 下 (ハヤカワ文..." 2026年4月19日

脱兎
脱兎
@lubudat
2026年4月19日
アルテミス 下 (ハヤカワ文庫SF)
あんぷっとだうなぶるすぎて後編は一気。 思ったとおり、ウィアーはオタクを描くと輝く。スヴォボダのキャラクターがめっちゃ癒し。 実はジャズは嘘をつく語り手で、モノの見方は楽天的そのもの(多分ウィアー自身があまり物事をシリアスに、怒りや悲しみを込めて描くのが好きじゃないのだろう そういう意味では彼の作品はどれもとてもライトだ)、その点はマーク・ワトニーもライランド・グレースも共通している。絶望から目を背けて希望に縋りつき、持てる(常人離れした)能力を発揮して問題を突破、破壊していく。ある意味ではめっちゃドラゴンボール。絶望にワナワナ震えても、根っこの部分は悟空さなのであった。 客観的に見ると壮絶というほどの物語でも、これほど希望に満ちた形で描けるものかと思う。御涙頂戴で稼ごうという気が、書き手にない。逆にいうと、それゆえに映像みたいな客観表現になった途端、どんなにコミカルにしてもなんか泣ける、というミラクルが起こる。 いい感じで読者に思い入れができたあたりでスッとハッピーエンドにしてくるあたり、めちゃくちゃいいリズムである。いい意味でプロ作家らしくないサービス精神が心地よく感じる。
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