ブトマ
@togo1004
2026年4月20日
密やかな結晶 新装版
小川洋子
読み終わった
密やかな結晶
記憶が少しずつ消滅していく島の物語
消えたものを隠し持ってる人間を摘発する
"秘密警察"の存在
とても不気味なんだよね、特に奪われる瞬間よりも
"奪われたことに慣れていく過程"の方が怖い。
少しずつ人間の中身が失われていく
本作に図書館が焼かれるシーンがあって
つまり"記憶の置き場"そのものが消されるって描写。で、おじいさんが言うのよ
「書物を焼く人間は、やがて人間を焼くとこになる」って
この台詞は思想や表現を弾圧する行為がエスカレートすると、やがて人そのものへの暴力や迫害に至る。って警告的な言葉なんだけど、
実際、SNSでも似たようなことが起こってて
それはさ、誰かの発言やミスが切り取られて、一気に広がって、気づけばその人自身が否定されていく。最初は「この発言はどうなんだ」という話だったはずなのに、いつの間にか「この人はダメだ」に変わる。その流れの速さと雑さ。
島の人たちは消失に慣れていくけど
SNSでは"叩くこと"に慣れていく
どちらも感覚が少しずつ麻痺していく点では同じだよね。
本作はそれを淡々と静かに、でも確実に失っていく感じを見せてくれる。


