
あとの まつり
@gokigen
2026年4月21日
みずうみの満ちるまで
土形亜理
読み終わった
荒廃している外の世界に比べ、ヘヴンズガーデンの中には草花、木、湖や色んな表情の空が彩り豊かに存在するが、入居者の死が前提にある楽園には贖罪の念が漂っている。
主人公のエルムやヘヴンズガーデンの管理人も、ここが世界の希望となるとは考えておらず、何もかもが遅すぎる世界で、手の届く範囲の世界だけでも明日に繋ごうと、もがく姿には心にくるものがあった。
既に森林を伐採しての太陽光の大量設置やデータセンターの増設に伴う水資源の確保の問題等人間と地球の共存には歪が生まれている。火星に移住なんて話もあるが、きっと超富裕層にしか手が出せない金額のものになるんだろうな。この話が、ただの物語ではなく未来予知的なものにならないことを願う。
p48 いまや絶望だけが、救うべき命を淡々と救うのです。
p56 この壊れた世界には、もう残酷さしか残っていない。わたしに与えられたのは、どんな残酷さをもって、どんな救いに変えるかという問いでしかない。
p191 彼の足は、私の足は、何を踏みつけてきたのか。これから何を踏みつけて歩いてゆくのか。
p209 けど、もう正しさなどを悠長に追求している時は過ぎました。これ以上、この世界で正気を保って生きることに耐えられません。
2026年14冊目読了
