
ふわち
@fuwachi
2026年4月22日
岸辺の旅
湯本香樹実
かつて読んだ
とある人物が蟹に食べられてしまうのです。
それが物語の重要な部分に関わってくるわけではないのだけど、このイメージがなぜかずーっと頭から離れないでくっついているのです。
私が海で死んでしまって、誰も知らない海の底に私が落ちて底生生物たちに食べられるのは一体どんな気持ちになるのでしょう。「死んでいるから分からない」は禁句です。ここを踏み込んでみる。でもやっぱり分からない。すると何かが足を浸してきます。きっと主人公もそんな風に分からなさと寄り添っていったのかなぁと思います。
個人的なことを言えば、この本を読んだことで蟹に対するイメージが決定的に変わってしまったのです。祖父に連れられた小さな海で潮溜りに残された蟹を見ていた、あの頃の私はもうどこにもいなくて、永遠に逢えないことを思い出しました。
