一年とぼける "世界 2025年12月号" 2026年4月22日

世界 2025年12月号
・心惹かれた論 『人びとが織りなす社会戦争』 益田肇 戦争画を端緒に、大枠の戦争からではなく、人びとの日常生活から戦争を見つめ返すとどの様に捉えられるかといった内容で、面白かったというより、武器輸出に踏み込んだ現状からすると戦争からの逃げ場がより無くなったなと思わされてゾッとした。 『民主主義の最後の砦 アメリカ公共図書館のいま』 石山徳子 コモンとケア、コモンからのケア、コモンとしてのケアという観点からの公立図書館という在り方の重要性。また、権力による禁書指定に対して 「怒りです」 と答え、対抗するブルックリン公共図書館長の言葉にいたく心打たれた。 『日本で脱植民地化を論じるために』 福永玄弥 台湾における植民地主義の残滓としての公娼制とその廃娼化、それに巻き込まれ排別を強制される当事者についての「セックスワークイズワーク」論。 『トラウマを脱植民地化する』 大竹裕子 論としての意義深さや興味深さはもちろん、ウガンダでの経験やその感情の語りに強く心打たれた。是非著作も読んでみたい。 ・特集『高市以降の政治地図』にの感想 解散総選挙前というのは差っ引いたとして、フェミニズムを常に視野に入れているかいないかで、だいぶ論調が分かれていると感じた。 フェミニズムを常に視野に入れている論者は、混乱を基調として今後どうなるかわからない、という前提に立ち、最悪の影響を視野にしながら論じていると感じられた。 フェミニズムを視野に入れていない、入れづらいといった趣の論者は、分析の確かさはともかく、政党間・党内力学による(軟)着陸を前提としていた印象が残る。 後出しの感想になってしまうが、どちらが現状に即しているかと考えれば、ある意味で既にフェミニズムは実学の域であり、知識人として一定の理解は必須である証拠とも言えるのではないか。
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