
こーきぃ
@korkey
2026年4月22日
読み終わった
感想
無印良品の古本コーナーで見つけた。
食欲がわいてきそうなタイトルと表紙。
私は、ごはん系の物語と黄色に弱い。
ほっこりした話だと決めつけて、
ワクワクしながら手に取った。
けれど、読み終えたあとに残ったのは、
その期待とは真逆の感覚だった。
たしかにテーマは「食」だ。
でもこの作品は、
決して美味しそうに描かれていない。
とくに、二谷が恋人からもらった
ケーキを食べる場面。
あんなにも美味しくなさそうに感じる描写を
読んだのは初めてで、
文章だけでここまで表現できるのかと、
驚きと同時に面白さを感じた。
彼は「食」にどこか嫌悪感を抱いている。
健康や栄養といった、
正しさを意識した食事が苦手。
手間をかけた料理よりも、
手軽にお腹を満たせるものを好む。
食べることが好きな私には、
すぐに共感はできなかった。
それでも、時間をかけて作った料理を
あっという間に食べ終えてしまう、
あの虚しさには覚えがある。
人は、生きている限りお腹が空く。
食べなければ、生きていけない。
その半ば強制的な営みが、
ときに息苦しさを生むのだとしたら。
彼の感覚も、
少しだけ分かる気がした。
「食べること」と「生きること」
その距離の近さと、
重さについて考えさせられた。

