時間のかかる読書人 "高校生のための 人物に学ぶ日..." 2026年4月24日

高校生のための 人物に学ぶ日本の思想史(1)
高校生のための 人物に学ぶ日本の思想史(1)
佐伯啓思,
公益財団法人国際高等研究所,
高橋義人
この章で学ぶこと 明治維新後、日本は西洋文明を取り入れ、鉄道を作り、小学校を作り、郵便局を作った。だが、取り入れたくても取り入れられないもの、作りたくても作れないものがあった。それが西洋の個人主義だった。西洋的個人主義とどう向き合うか。これは、漱石や鷗外など、明治の文豪が直面した大問題だった。個人主義がないと、若きヴェルター的な西洋的恋愛もできない。鷗外の『舞姫』はそういう問題を提起している。 日本に個人主義はない。少なくとも西洋的な個人主義はない。では、個人主義を介いた日本人の精神は西洋人のそれよりも劣っているのだろうか。この問題で鷗外はずいぶん苦しんだ。その苦闘の果てに鷗外がたどり着いたのが「空車」という境地だった。 そんな彼の苦闘の歩みをたどってみよう。
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