高山碧瑶 "いなくなくならなくならないで" 2026年4月24日

いなくなくならなくならないで
登場人物にとっての情報が小出しにしてゆくのが秀逸だった。主人公の周囲への消極性故かドラマを動かす力が弱くて全体のストーリーが大きく転がっていかないのが少し残念だった。 以下多少ネタバレあり。 17才の頃の主人公たちの交換日記がところどころ登場する。小説の中で主人公の中での朝日の存在が、そして主人公自身が変化し続けている。主人公にとって日記はその時の自分自身の心を定着するためにあって、自分自身や周囲が変わっていく事に戸惑いながら生きているようだ。一方朝日はその生活環境ゆえか、それ自体も彼女の態度故か徹底して場当たり的に生きている。幽霊のような漂泊する人間だ。主人公にとって悲劇的なのはそんな対極にある人物と親友になってしまい、過去を引きずって生きている家族の中に引き入れてしまった事だ。主人公と朝日が取っ組み合うラストシーンは記憶に残る。また読み返したい作品だった。
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