いなくなくならなくならないで

37件の記録
- 萌@macmac_03152025年4月22日読み終わった@ 図書館初めましての向坂くじらさん。ひしひしとした没入感で、気がついたら最後の十数ページは息を殺して読んでいた。 「だれかと似ていたいし、それでいて異なってもいたい。そしてその凸凹がぴったりとあうただひとりを見つけて、さらにはその人にも、あなたこそただひとりであると言ってもらいたい。」
- Suzuki@finto__2025年3月16日読み終わった★★★★★ 「この人を胸に抱いているのが自分の役目だろうか、と思うと、時子はふたたびしらじらと醒めてくる。就職してからというもの、自分の価値を作りなさいと言われつづけている。自分が仕事をすること、自分がいることに、自分ならではの価値を作れるようになりなさい。そのたびに、自分の果たしている機能のうち、自分でないとならないものを数えてみようとするけれど、ひとつも思い当たらない。そういう日にかぎってうちへ帰ると、朝日がソファに寝ころんで、焦点のあわないような目でタブレットをながめていたりする。だれだろうか、この人は。会社にも家族にも加わっていない、わたしの胸にだけぴったりくっついて、空中に浮かんだままの、だれだろうか、この女の子は。」p113
- mi@mer_182025年3月7日読み終わった心のやわらかい部分を受け渡したし、受け取った友人、大好きな、大切な人。なのに、妬ましい、憎らしい、みたいな気持ちが、自分の中で無視できないくらい大きく育つことってあるよねえ。揺れ動いて一貫しなくて矛盾する感情を、そのまま言葉として掬い取った、という感じ。どこまでも感情の物語であって、本当に朝日は死んだのか、あの時何があったのか、みたいなことを考えるのはきっと野暮なんだわ、と読み進めながら思った。
- はぐらうり@hagurauri-books2024年6月16日読み終わったいてほしかったり、いてほしくなかったり、繰り返すのが友達だった、気がする。結局、いてくれて良かった、ことが多かった、気がする。後からわかることだけれど。 大事なところは明かされないので想像するのが楽しい。予想した展開になって少し残念に思う、というか「良かった」という感想にならないこともあるけれど、これは予想していた方向にいきそうで嫌だな、と思ったらいかないで驚く、を何度も繰り返す。いきそうなストーリーなのに。さすがの芥川賞候補。 裏切ってくれて良かった。