本屋lighthouse "恋の幽霊" 2026年4月24日

恋の幽霊
恋の幽霊
町屋良平
「しらねぇー」 昨日と今日、いつもは家で仕事をしているひろこさんが家にいたくない気持ちになってずっとお店の奥の部屋で仕事をしていて、だからきっとふだんは私としかまじりあっていないお店の身体のなかにひろこさんもいて、しぜんひろこさんの身体も私とまじりあっていたはずで、その居心地のよさからか外に出ようなんて思わなかったのだけど閉店の時間だから私は外に出て、そしたらここ数ヶ月ずっと続いている大規模修繕の仕切のために張られたであろうテープが私のお店、つまり私の身体の一部である備品に繋がれていて仕舞うことができず「でちゃった」ままになる、私の文体は傘立て、数年間ろくにメンテナンスもされずに使われ続けて錆びついたニトリ製のそれだった。
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