
積読山脈
@book_mountain
2026年4月25日
日本語の作文技術新版
本多勝一
読み終わった
厠に置いていたものをちまちま読んでようやく読了。
数字の表記は西洋の三進法ではなく日本の四進法で、ローマ字はヘボン式ではなく訓令式で表すなど、現代の我々からすると思想が強めに感じる部分もあるものの、内容としては一貫して“読みやすい”文章について記述されている。
修飾の順序と読点の打ち方の比重が重く、私自身の感覚としても腹落ちする内容だ。一読して一意に取れない文章は、正しく飲み込むまでの労力が桁違いに重いのだから。同様に、必要な読点以外は打つべきでないというのも頷けるものである。
もう一点、自分でも改善していきたいと強く思ったのは無神経な文章の回避だ。どこかで見たことのある“紋切型”の表現を無節操に使わない・表現の繰り返しを避ける・自分が笑ってはいけない・体言止めは下品なので極力用いない・(特にルポのような場合)文章を机上で書いているという意識が滲み出る過去形を回避する。
我々が学校教育で適当に教わり何となくやってきた日本語の文章だが、我々日本人の思考を規定し文化の根幹を成す言語そのものなのだから、今一度文章に向き合って少しずつ矯正し維持していきたい。その視点から老若男女にぜひ読んでもらいたい。読まずとも手元に置いておいていただきたい。
リズムと文体では文豪たちの書き出しが23篇紹介されている。好みを探し出すには絶好のメニュー本なので、この部分だけ立ち読みしてみても好いかもしれない。私は二葉亭四迷の『浮雲』と徳田秋声の『春光』が好きだ。おそらく長い一文が性癖なのだろう。特に『浮雲』は声に出すと調子がよく跳ねて楽しい。もしや落語とも相性が良いのか。