
roiban
@roiban
2026年4月25日
世界99 下
村田沙耶香
読み終わった
感想を書くだけでも緊張させられる。読み終えると確実に「アップデート」させてくれる小説だが、そんな感想に籠る「共感」のシグナルの欺瞞を鼻で笑う視点も同時にインストールされる。一貫して扱われているのは女性への加害。眼差し、制度、コミュニケーション、一挙手一投足に至るまでの暴力性が、全く手を緩めることなく暴かれる。ピョコルンが発明された未来社会はそうした問題が一度リセットされるように見えて、根底では何も解決していない。役割のスライドにより虐げる側の視点も語り手に宿らせる装置として、ピョコルンはそこで機能する。動揺させてくれるのは良い読書、ということで差し当たりこの体験を総括するしかなかった。初村田沙耶香作品だったが、他も読んでみようと思う。
