犬山俊之 "トピーカ・スクール" 2026年4月26日

トピーカ・スクール
トピーカ・スクール
ベン・ラーナー,
川野太郎
[本]ベン・ラーナー『トピーカ・スクール 』川野太郎訳(明庭社) すごいものを読んだという高揚感と、それでも自分の読みの力では読み切れていないなあ、という歯痒さとともに読了。 異なる世代の複数の語り手による独白の重なりの中に、「人間が生きること」がちらりと見えたような気がしました。子を持つ親、子どもの目に見える家族、幼馴染と友人と、すれ違いと繰り返し(!)。最後のシーン、成長した主人公アダムが彼の配偶者と子どもといっしょに向かう場所が、本当の「今」につながっていてびっくりしました。今読めてよかった。 しかし、アメリカ社会、風俗についての知識がないと理解できない部分は多々あるだろうなと。例えば、人名だとオプラ・ウィンフリーとかボブ・ドールとかいくつかはわかりますが、ほとんどの固有名詞は読み飛ばしていますし、特に音楽は全然わかりませんから。 そうした知識以外でも、独特で複雑な文体もかなり手強かったです。正直、本編後の「訳者あとがき」を読んで腑に落ちた点もたくさんありました。こんな文章が翻訳できるなんて、自分にとって川野氏は超人です。 また、白岩英樹氏の熱い解説もすばらしかったです。理解が深まりました。 なんなら、「訳者あとがき」と「解説」を先に読んでおいたほうが本編の世界に入りやすいかもしれません。というわけで、自分は今から再読します▼
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