きなこ "ケアする心" 2026年4月26日

きなこ
きなこ
@kinako2025
2026年4月26日
ケアする心
ケアする心
キム・ユダム,
小山内園子
ケアをするとは? ケアに関する10編の短編小説が収録されている。 子育ても介護も、さらに日常生活を家族が平穏に暮らしていけるように整えることも全部ケアに含まれる。 その大部分を女性が担う。そして祖母から母へ、娘へとケア労働が受け継がれていく。時代が変わっても同じように伝えようとする側と、それを拒否する側。女性同士でも一枚岩というわけでもない。 ケア労働は重労働で重要なのに、これほど軽んじられている労働もないのではないか。 「ヨンジュの半分」は読んでいて胸が痛くなる。ヨンジュには幸せになって欲しい。 表題作の「ケアする心」のラストが怖すぎて、続きが書かれていないか、後半のページをめくったほど。 「安」「入所」「特別警戒地域」には慶尚道の方言が使われていて、翻訳者の小山内園子さんは、最初は全部共通語にするつもりだった。だが作者の作風から、方言は作家の個性だと考え、小山内さんが自由に使える津軽弁にしたとか。(慶尚道の言葉と似ていた) ハン・ガンの『別れを告げない』で訳者の斎藤真理子さんが済州島の方言を最初は沖縄方言にしていたが、結局それはやめたと書かれていたのを思い出した。外国語の方言の翻訳とはなんと繊細で難しいものかと思う。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved