
ましろ
@ruhistory
2026年4月27日
リボルバー
原田マハ
読み終わった
*原田マハの小説は文章に余計なクセがなくて、頭のなかになめらかに流れ込んでくる感覚。調子が悪いときは小説が読めなくて、本を開くのが億劫になってしまうんだが、読み始めたらそれは杞憂。物語に入り込める自分にも安堵する。
*「たゆたえども沈まず」にもゴッホは登場して、こちらも好きな小説のひとつ。
「リボルバー」はゴッホがメインの話なのかな?と勝手に思っていたのだが、ゴッホとゴーギャンの物語だった。
個人的にゴッホは好きな画家で、美術館で関連する企画展などあれば見に行き、図録を読んだり、書籍で調べたりと、興味の尽きることのない対象。対してゴーギャンは「ゴッホと同時代の画家」「アルルでゴッホと共同生活」「タヒチ」くらいしか知識はなく、正直絵も他の画家に比べて惹かれることも、好くことも特になかった。
*「もしかしたらこうだったかもね〜!?」を書くのが上手い作家だなあと思う。こんな史実はない!とも思うけど、こんな物語が絶対になかった、という証拠もないので、毎回割り切ってロマンを楽しむ。
ストーリーの構成として、登場人物サラとゴーギャンの関係性や、サラがなぜ主人公冴と出会ったのか、などはかなりわかりやすく推測できたので、そんなまさか!?という展開は個人的には少なかった。
各原田マハ作品で特に好きな、人間模様というか、各登場人物の人生のうねり、心情は堪能できた。
原田マハ作品では何度か用いられてる、視点を変えたストーリー描写が本作でも。終盤のゴーギャン視点の独白は、「チャレンジングだな〜」と思った。ゴーギャンの身に起こったこと、そのときの彼の心情なんて、ゴーギャン自身にしか説明しえないことは自明なのに、あえて「ゴーギャン視点ですよ」と銘打って、筆者の想像(と書いてロマンと読む)、解釈を示せる度胸が単純にすごいなと思うし、筆者の腕前で物語として輝いている。
*ゴッホの耳切り事件、実際には耳たぶの一部を切った、という話らしいが、左耳ごっそり切ったような印象を抱く人が多いのでは?物語上ではおそらくあえてだと思うが、それを訂正するような文言もなく。センセーショナルな効果が出てると思う。
*ゴッホのファンはともかく、ゴーギャンのファンは、もしかしたら複雑な気持ちになるかもしれないが、彼への尊重は溢れている。

