
むくげ
@hachisu_no_flower
2026年4月27日
こちらあみ子
今村夏子
読み終わった
どの作品も、人の持つ悪意なき悪意、無意識的な気味の悪さという部分を他人事のような目線で書かれていると感じた。読みはじめのうちは淡々と進む文章を目で追っていくのだが、だんだんと小さな違和感が積み重なっていき、もしかしてこの話の登場人物たちは何かおかしいのではないか、何かを企んでいるのではないかと疑心暗鬼にさせられる。
しかし、何かおかしいことに違いはないが、そのおかしさは能動的な負の言動から来るものではなく、むしろ意図せずに起きた出来事だったり、良かれと思ってしたことが裏目に出たりする気まずさから来るのかもしれない。
中でも、やはり『こちらあみ子』は背筋をぞっとさせながら読んだ。登場人物の誰もがあみ子を見ていない。あみ子の方も、誰のことも(もしかしたらのり君のことすらも)見ていない。一方通行の視線とコミュニケーションを指すのに、「こちらあみ子」というタイトルは秀逸と感じた。
