
有希
@madoromi_y
2026年4月29日
ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
大前粟生
読み終わった
☆☆☆☆
やさしいことは悪いことではないし、やさしいことで勝手に傷ついてしまう要因の方が本来悪であるはずなのに、「それが普通だと思えたならこんなに傷つかずに済んだのに」という気持ちが拭えない
やさしさのシェルターは無関心に限りなく近くて、でも「やさしい人」も無意識で他人を傷つけているのではないか
傷つきやすさの程度はどうあれ、他人への加害性を自覚するのは難しい
「誰かを傷つけたくない」と自分が思ったとしても、結局人は自分の物差しでしか物事を考えることができないから、そもそも「自分の言動で他人を傷つけることがないようにコントロールする」ことなんてそもそもできなくて、それでも可能な限りコントロールしたいと思ってしまうのは、自分自身こそが「周りの無遠慮な言動に傷つけられてきた」ことに他ならない
ちょっとした地の文が独特のセンスで好きだった。
『傷ついていく七森と麦戸ちゃんたちを、やさしさから自由にしたい白城は、ぬいぐるみとしゃべらない。』
『仲のいい人でも悪いひとでもない、ひとでも、生きものでさえない、傷つきようのない、モノが相手だと、しゃべりたいことがしゃべれた。』
『私が書いたものを妹が見ることは今後もないかもしれない。でも、あるかもしれないと思いたいから書く。』


